マット②

【※"マット①"からお読みください】


前回開発した靴が思わぬ結果を招き過ぎたので、”横が駄目なら上いきな”という名言にならい、高跳び競技に路線変更した。

私は物理学も学び、跳ね返り係数を大きくすることに成功したので、少量の力で上へ随分跳ねるマットを開発。それが高跳びのスポーツシューズに採用された。
どこまで跳べるか予測不能だったので、実験が行われた。
先ずは、試しに垂直ジャンプをしてもらうことにして、一人のアスリートにジャンプしてもらった。

またも、結果は予想を遥かに上回った。

1メートル、2メートル、10メートルもゆうに越え、
なんと、30メートル上空まで跳ね上がった。
最早、空を飛んでいると言うしか言いようがない。皆が顔を天に向け、歓喜のおたけびでどよめく。
高跳びならぬ高飛びだ。ハハハ。

そして、皆が顔を地に向け、悲鳴をあげた。


数十メートル跳び終わり、落下した選手の末路を見て。