ラーメン評論③

高田馬場に、"渡なべ"という行列のできるラーメン屋さんがある。開店前から並びだすほど、人気店のようだ。
実際に訪れてみると、早大生だけでなく、サラリーマン、壮年から年配の夫婦など、客層が様々であった。
ほう、若輩者にだけ好かれているわけではないのか…マーケティング的に観る限りは、間違いなく美味いのだろう。
そこで今回は、実際に私が食した感想を正直に述べようと思う。偉そうな文面があるかもしれないが、あくまで一個人の意見であり、また、自身の舌が正解とも思ってないので、そこの事情を踏まえつつ聴いて頂きたい。
公正なる評価をすべく真水で口内を中和し、渡なべと記された表札横の暖簾をくぐった。

店主の姓は、『ワタナベ』さんであろうか?
昨今の店名は、ユニークな横文字もあれば難易度の高い漢字の組み合わせがあったり、己の志を唄った文句だったり、カフェっぽいのもあればDQNネームありと様様だが、今回の取材地のごとく日本に多い名字で挑んでくるとはイマドキ珍しい。二代目などできようものなら、有力歌舞伎は世襲的な屋号となる。
ただし、『渡なべ』と、”なべ”だけ平仮名表記にした部分は、主のこだわりが見て取れる。

実際の漢字表記は『渡部』であろうか?
それとも『渡辺』なのか?
はたまた「渡邊」なのか「渡邉」なのか?
ひょっとして「渡鍋」なのか?

いずれの表記だとしても、案外に読み方は、「”ワタリナベ”です」と言われるかもしれない。

『渡り鍋(わたりなべ)とは食材、季節、出汁などの事情に応じて定期的に長い距離を移動(渡り)して鍋する人のこと。渡り鍋が成長した最終形は、1年を通じて数々の地域やその周辺で具材の調達から投入の仕方も含めて指揮する人であり、俗に鍋奉行という』

以上のように、味を求めて冒険をした人かもしれない。

いやいや、ワタナベの漢字表記はまだまだ無数にある。
『綿鍋』、『腸鍋』、『和多鍋』、『話他奈辺』、『環蛇南部』
『わ!田辺!!』
もしかして、田辺さん??




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