ラーメン評論①

【※"ラメン食ぶる悲しい受験生(随筆)"から移転した記事】

御茶ノ水に、”ラーメン大至”というラーメン屋さんがある。
ネットでの評価が高く、テレ東でも紹介された人気店のようだ。
そこで今回は、実際に私が食した感想を正直に述べようと思う。偉そうな文面があるかもしれないが、あくまで一個人の意見であり、また、自身の舌が正解とも思ってないので、そこの事情を踏まえつつ聴いて頂きたい。
公正なる評価をすべく真水で口内を中和し、ラーメン大至と記された暖簾をくぐった。

先ず、見た目は、本当に普通で、昔ながらの中華そばである。
戦後、高度経済成長期の最中にごく一般的な中流家庭で育った、地味で古風なムスメが適齢期を迎えたので、遠縁にあたるクス子オバちゃんがパートするイワキの農園をはるばる訪れ、肩入れを頼むと、縁談っちゃあオラに任しとき、とふたつ返事で動いてくれて、メーカーに勤務している真面目で誠実なサラリーマン男性とのお見合いが決まり、庭園の池のほとりからししおどしの風流な音が響くなか、紅茶キノコの知識をセイイチさんが一所懸命披露してくれたのだが、流行に疎かったムスメは上手に受け答えできるはずもなく、もじもじしながらクス子があつらえてくれたツイッギーカットをあちこちかまうことだけしかできなかった時の、そのムスメの姿とダブって見えた。

だって、今時ナルトが入ってるなりよ。
見るからに小池さんが食べてるヤツなのだ。

しかし、内面の味を知って驚く勿れ。
それはまあよくできたお嬢さんだったようで、ええ人やないのとクス子の後押しもあり、無事セイイチさんと結ばれたムスメが育児の片手間で始めた副業が大当たりして起業することになり、旦那の三歩後ろを歩くなんてとんでもない程の力量が開花して、今やトップウーマンアントレプレナーに成長を遂げた姿を見せてくれて、あのおさげの娘がねぇという味。




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