低学年の脳③

小学1、2年の時は、日曜日に吉岡君としょっちゅう遊んでいた。そして、しょっちゅう二人で"みっちゃん"家に遊びに行っていた。
みっちゃん家には、早い時期からファミコン(コントローラーが四角いゴム製ボタンの初代のヤツ)があったのだ。

遊んだ後、二人で歩いて帰るのだが、途中に一箇所だけある横断歩道の青信号が点滅すると、二人は渡ろうとして走った。
そして、走り出すと、渡った後も走り続け、スーパーまで競争するのが暗黙のルールだった。
吉岡君は、私より駆けっこがケタ違いに遅い貴重な存在だったのだが、何故か当競争に於いては、常に私が負けていた。
スタートダッシュでは私が先頭に立つ。しかし、スーパーに着く頃には、私が負けている。
持久力が原因だろうか??
いや、横断歩道からスーパーまでは、50mも無い。五十メートル走は私の方が確実にタイムが速い。にもかかわらず、全戦全敗で理由も分からなかったまま低学年時代を過ごした。

大人になった今、当時の惨憺たる事実をこれから分析してみる。
横断歩道を渡ると、真正面にある郵便局にぶつかる。そして、郵便局から右方向へ数十メートル進むと、スーパーに到着する。
郵便局には、知覚過敏にとって殺人的な冷たい水が出る冷水機があったが、勿論、アイス級の冷たさを水にも求める小学生には大人気で、初夏から仲秋にかけては、「お水を飲ませてください」と挨拶しては局内に入る下校生達の潤いの場であった。
しかし、吉岡君との競争の途中では、私が局に寄ったことは、一度も無い。
また、郵便局には、頑丈そうな鉄柵がある駐車場があり、昼間は鉄柵が開いていた。チェーン付きの鉄柵だったので、夜はライオンが閉じ込められて居ると低学年の時は思っていた。
しかし、昼の鉄柵が開いている時は、絶対にライオンが居ないと確信していたので、駐車場の前でもひるまずに走れた。
以上より、私も、最初から最後まで全力疾走していたことになる。

ところで、横断歩道の渡り始め(スタート地点)をaとする。そして、横断歩道が終わった地点にある郵便局をbとし、更にスーパー(ゴール地点)をcとする。
私が走っていたコースは、”ab+bc”。
吉岡君が走っていたコースは、”ac”。
ところで、a、b、cを直線で結ぶと、bが直角である三角形が出来る。
以上に、足が遅い筈の吉岡君が勝っていたという事象を当て嵌めると、
”ab+bc大ナリac”
という仮説が成り立つ。
とすれば、”ab二乗タスbc二乗ハac二乗”であるというコトに今気付いた。
私は数学者では無いので、その数式を発見したところで知ったこっちゃない。ですから、当定理をどうぞ御自由に使って下さいピタゴラスさん。



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