地球は丸かった③

【※地球は丸かった①、 からお読みください】


私は何故、地球が丸いと気付いたのか……それは、ある恐怖体験に基づいている。
実は過去、”つきまとい”の被害にあっていた。
髪が、大腿骨の裏側まである超ロングの女性が、毎日私の目の前に現れては「結婚して」と言ってきた。
しかもこの女性が無職で家事を一切しない人間であり、手作り弁当をポストに入れて来ないのは有り難いが、私の弁当を盗んでは完食する。
つきまといの癖に、プレゼントをする意志が皆無で、私の誕生日には必ず現れない。
バレンタインデーの日は、私の背後にピッタリ張り付き「逆チョコ、逆チョコ」と念仏のように唱える。
完璧に故障した洗濯機や大型冷蔵庫など処分に金が掛かる家電を、着払いで送ってくる。
更にその女には子供が7人居て、1人は高校暴走族。1人は高校シンナー中毒。1人は中学スケバンで、その子のお腹には誰の子か判らない五つ子ちゃんが宿っている。3人が不登校小学生で、残る1人は世界で一番学費が高い私立大学医学部に来春から通う。女の両親は蒸発した。5億の借金を残して。

逃げるしかなかった。その日も女がつきまとい続けてきた。 できるだけ遠くへ、いや、一番遠くへ、そう、地の果てまでは追って来れまい。
女から一番遠い場所、それは女を一点として直線を引き、その線上をひたすら移動し続ければ良い。そのように直進した。幸運にも、女はドジでのろまな亀のくせに精神は兎だったので、私との距離はぐんぐん開いた。
このまま直進し続ければ、二度と女は私に近付けない。
勿論その頃は地球が丸いことを知らないので、永遠に直進できると思っていた。
突然巨大な壁に行く手を阻まれるのかな、なんて、走りながら思った。でも大丈夫ワタシ。電動ノコギリをAmazonから購入してある。

すると、前方に、女の人が走っている後ろ姿が見えた。髪の毛が踝までもある。その女を追い越す瞬間、女が振り向き、口を開いた。
「アンタの方こそ必死に追ってるじゃん。もしかしてストーカー?」

なぜだなぜだなぜだなぜだ
?が山びこのようにこだまする。
あんなに差が開いていたのに。なぜだ。もちろん女はアナタを追い抜いていません。難問だ。まるで、トラック競技で周回遅れのランナーを追い越すような現実……周回遅れ!…まさか!!

そう、地球一周分の周回遅れが生じたと考えれば、ガッテンガッテン。
その後は、皆々様が御存知のようにフットパワーで一儲けした後、地球が丸い説を公表して大儲け。四京円を手に入れたので、ツキマトイと結婚した。彼女は美人で細身の巨乳だったからねえ。

尚、中学スケバンに五児を孕ませながら、自ら認知せず隠蔽すことを、心より恥じる。



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