テレビ企画書

「大俵田プロデューサー! 今回はドラマの企画書を書かせてもらいました。」

私が放送作家をしていた頃、年末特番の企画書をプロデューサーに手渡し、意気揚々と述べた。
以下は企画書の内容である。



冬季年末特別番組企画書

<タイトル>
開局69周年記念特別企画
~フレフレ触レンズ~(仮題)

<企画意図>
来年開局70年目という節目を迎えるに当たり、69年目は非常に大切な時期である。
そこで、これまでにヒットした映画やテレビで主演を果たしたタレントのみを起用したBIG番組を考案!
今回はバラエティーではなく、ドラマの企画案とした。
主人公が様々な愛に触れ合い、成長して行く姿を壮大なスケールで放つ17夜連続スぺシャルドラマ。

大スター勢揃いです! また、豪華な顔ぶれが脇役に徹する場面も見もの。


<番組概要>

・放送時間 ゴールデン4時間枠
 オールVTR構成

・視聴対象 全般(M1層,M2層,M3層,F1層,F2層,F3層,C層(三歳児含む),T層)

・番組種別 スペクタクルドラマ。もしくは、映画

・出演者案 企画内容にて後述


<企画内容>
以下、ドラマの梗概を記述。

主人公の、まさお君は、愛しのマリリンに逢うために、ナント海を泳いで行こうとする。
途中、流されてきたチャトランを救助した。
ところが、迷子になったまさお君が、途中出会ったタマちゃんに『ここは川よ』と言われてしまう。
いったん陸へ上がると、急に連絡が入る。
『タロとジロが、はな子に踏み潰された。南極へ飛んでくれ』
まさお君にとって、ドン松五郎の命令は絶対である。
『はな子の舎弟のリュウ(ピュンピュン)は突破もんだ。気を付けろ。ヤクのやり過ぎで、吾輩は猫であると思い込んでいる』
と、松五郎が言った。
道中で、『矢ガモをヤったのはキサマだろう』と警官に捕まる。
『畜生! ハチ公めっ!!』
懲役をくらってしまったまさお君は、雑居房で、ベイブと会う。ベイブは、懲役を終えた後にしなければならないことを語った。
『クイール、ハラス、ひまわり、きな子、崖っぷち犬、竜巻犬、例の白い犬など101匹の犬と私の10の約束を守らないといけないんだブ』
それを聞いたまさお君は、こう言った。
『ベイブ、都会へ行く?』
出所後、まさお君はヘレンを探す旅に出る。
『ルールルルルルルルルルルルー、ルールルルルルルルルルルルー……』
何度呼んでも、ヘレンは現れない。
『腹ごしらえでもするか』
風太くんと釣りをしていたら、人面魚が釣れた。
”了”



「いかがでしょうシャチョさん?!」
「相当のギャラが必要だなー。ブッキングも大変だし。AP泣かせだぞ」
「主題歌はイルカさんに歌ってもらいましょう」
「イルカは唯一ヒトの話しが分かるけど、他の演者はお世話が大変だ。AD泣かせだぞ」
「じゃあムツゴロウに仕切ってもらいましょう」

大俵田ピーの顔は曇っていた。


【関連サイト】
・勝手にテレビ企画